HF差し替え1回目にあたる「夢」が素晴らしかったです。
……正直、えろてぃっくさでPCの上を行ってると思うのですがどうか。
神です。これは神。
妖艶。蟲惑的。素敵。
PCのとき、凛の姿を取ったことに抵抗があったんですが、レアルタではなにかしっくり。
差し替えではセイバー2回目と張るお気に入りとなりました。
あれは、
遠坂か。
遠目でも、
判別できる。
地面につくほどの長い髪をなびかせて歩いていく。
長い髪は学校に入っていく。
幼い少女がふたり、戯れているような微笑ましさ。
双子のようにうり二つの、美しい姉妹の幻影を見る。蟷螂が紋白蝶を喰らっている
「どうしたの………?わたしのことが怖い?衛宮くん」
その前に柳洞寺でキャスター主従を喰らう影の、中の人の怪演もみどころです。背中がざわってきた、ざわって。
幕間、山門前。
HFでサーヴァントが次々と脱落していくのはいかにも異常事態といった感じで面白い展開ですが、その第一弾。
やってきた影に侵された小次郎の腹を裂いて真アサシン登場。腕を落とされた描写がまるごとなくなってます。
産まれてきたものはまだ蟲の鳴き声のような声を上げるだけで、姿も人の形をしていないようですが、小次郎を残さずキレイにいただいた頃には形も中身も人間らしくなっている様子。
草陰で蟲が鳴いていますよ。
セイバーと士郎、何もいなくなった山門に到着。
セイバーが一瞬、小次郎が落とした刀らしきものを見咎めますが、すぐに消えてしまったのか結局何もありません。
境内に着くと、月が照らしているにも関わらずなぜか影が落ちている。PCでは画面全体が暗くなりましたが、レアルタはそれほどでもありません。一瞬表示される影クラゲもはっきり見えます。
大所帯のはずなのに静か過ぎると調べてみた寺の内では、50人の僧侶と一成が苦しむ様子もないまま昏睡。欠席してたのは、既にここで倒れていたからなのですね。
セイバーの感知で本堂に向かうと、床には広がっていく血と息絶えている男。その傍らにルルブレを構えたままの血塗れキャスターさん。キャス子さんの血塗れ度が下がりました。
士郎の状況看破率が異様に高いです。
倒れているのが葛木先生だというのはもちろん、その傍らに立っているのがサーヴァントで、先生がそのマスターで、返り血で真っ赤になっている短刀が魔術破りの効果を持つものだといきなり見抜きます。
他2ルートでも見抜いたといえば見抜いたけど、いくらなんでも早いよ士郎。いや、プレイヤーは知ってることなので話が早くてよろしいですが。
セイバーに斬りかかられて、ようやく我に返るキャス子さん。
主を殺したなと恫喝されて、「こんな事になるのなら本当にそうしてしまえばよかった」と哂う声が哀しげです。
一応は迎撃体制をとるものの、セイバーには魔術が効かないので一瞬で斬り伏せられて終わり。士郎はセイバーに指示を求められて、これも実にさっくりと、言峰に連絡すれば昏睡した人たちは助けられるはずだから、自分たちは撤退しようと指示。
UBWではこういうときの対処がわからなくて凛に訊いてたんですが、HFでは既に一人教会へ担ぎ込んでますしね。実は3ルートの中で一番、巻き込まれる一般人の救助をこなせてるような。
立ち去り際、誰かに見られているような視線を感じて士郎が振り返りますが、セイバーの方は何も感じなかった様子。促されて家に戻っていきます。
柳洞寺はこうして真っ先に落ちたわけですが、臓硯が柳洞寺と教会を危険視してたせいでしょうか。
再び幕間。
本堂に現われて、教会が処理するのだろうと思われていた葛木の遺体と、本来聖杯に注がれるはずのキャスターの魂を飲み込む影。聖杯戦争のシステムを枉げているせいなのか、苦しげです。3回繰り返される
―――タリナイ
に声がつきました。
ひどく虚ろで幽かですが、地の底から這うような女の子の声。
全然調子が違いますが、よく聴けば桜とわかります。あのころころした声が嘘のような凄み。素晴らしいです。怪演。
衛宮邸について、眠る前に桜の様子を見に行く士郎。セイバーは微笑ましげに見送りますが、「襖閉めてちゃんとしてなきゃダメなんだからな」と釘を刺されてむっとしてみたり。
士郎は基本的に行って帰ってきただけですが、深夜の往復4時間はさすがにきつかったようです。簡単に済ませるつもりで桜の部屋に向かったはずが
……苦しげなのが殊に色っぽくて大変だったようですよ(笑)
ここからは例の夢。HF最初の差し替えです。
場面は新都、センタービル前から。鮮血神殿を思わせる、何もかも赤い世界をさまよっていきます。
遠く凛の姿を認めて、声を掛けても届かず。
追いかけてもただ歩いているだけの凛に追いつかず。
揺れる黒髪の描写が、「地面までつくほど」と現実の凛とも一枚絵で描かれる姿とも違うのが幻想的。
とうとう学校までやってきた凛の後ろ姿に引き込まれるようにして士郎も教室へ。廊下までやってきたところで「双子のようにうり二つの美しい姉妹」の幻も見ます。そういえばシーン名がPCと同じ「形のない島」ですよ。上姉さまと下姉さまー。
教室へ入ると一枚絵。虚ろな表情の美綴と、抱き合ってふざけているかのような凛。2人とも制服ですが、ベストはなしです。
……美綴さん、スタイルよかったんですね。
PCと曲は同じ。
地の文が進む中、不意にこぼれる苦しげな吐息にびっくりします。多分、美綴でしょうか。くすくすと笑いを含んだ凛の吐息も妖艶です。抱き合っているかのように見えた二人は、その実捕食する側とされる側。美綴の首筋に噛み付いて血をすすり上げた後、今度は士郎に向かいます。自由にならない体と麻酔か毒に融けるような感覚のまま、思うさま血も命もすすりとられていくのを味わうことになります。
士郎の首筋に陶然とかぶりついたまま、目を見開いた凛の瞳がライダーのもの。
続けてもう一つ、夢。今度は大火災のときのもの。
今までは街をさまよった末に切嗣に助けられる、という流れのものが多かったですが、この日の夢は火災の夜、いつもと同じように布団に入ったはずだったのに、というところから始まります。
たしか、士郎の実の両親の描写がある唯一のシーン。呼び方が「お父さん」「お母さん」です。
当夜、目を覚ましたときには既に家が燃えていた様子。
母親に起こされ、父親に抱えられて外へでようとしたものの、どうやら母親が逃げ遅れて父親が助けに戻ったようですね。
外で待っていなさいと言われたのに、外も熱くて目を瞑って逃げて、振り返ったら家がなくなっていた、言いつけを守らなかったから罰が当たったんだという回想が痛々しいです。
泣きながら歩いて、初めてまともに周りの光景を見回したというあたりで初めて混じる、熱いとうなされる士郎の声。子供の頃のじゃなくて今の。現実に熱を出しているわけですが、それとあいまって3ルート中初めてみる、燃える街の景色と「黒い太陽」。
恐怖に駆られて逃げ出して、やはり雨の降りそうな空の下でたおれたあたりで目を覚まします。
火災直後ごろならともかく、この頃には珍しく生々しい夢を見たといぶかる士郎。汗だくで気持ち悪いし顔を洗ってこよう、と起き上がったところでやっと自分に熱があるのに気づきます。
具合悪いのに気づくのが遅いよ、毎度orz
衛宮の家に入ってからというもの、生傷は耐えなかったものの風邪は引かなかったのにって、頑丈な。
あー、だから妙な夢見たんだなーと納得したところで1つ目のほうを思い出し。
……迅速な確認がPCと一緒だよ。なんというか、ゆるいんですねCERO・C。一通り確認して、完全に夢だと納得したところで布団に倒れこむと、セイバーがその音で声をかけてきます。隣から出てきて挨拶されますが、すっかりおいしくいただかれた後の士郎はもう起き上がる体力がありませんよ。
で、真っ先に心配するのが朝食の支度をどうしようなあたりが士郎。どこまで主夫か。
セイバーが藤ねえを呼んで来て、熱を計ってみると37度6分。…昨日の桜が37度だったんですけど、さらに高いよ。ライダー食べすぎ。
士郎が真っ先に朝食の心配をするだろうというのは藤ねえも読めてたらしくて、士郎と朝ご飯どっちが大事だと思ってるのと叱られました。そりゃそうだ。
桜のほうは入れ替わりに体調よくなってて、おかゆを作ってくれてたりしますが、そうなるとつつきたがるのが藤ねえ。
桜の風邪を移されるようなことでもしたのかといわれて、わけがわからない士郎と何言われてるのか察して挙動不審になる桜。お約束反応ですねー。
すっかり体調の崩れた士郎の面倒をセイバーに任せる藤ねえですが、そのセイバーの物言いが「監視をし、食事を与えればいいのですね」。おもっきし不安げな顔になる桜と、言い回しはともかく間違ってないからそのとおりで、という藤ねえ。
負傷したわけでもないのに体調不良で学校を休む士郎、と言うのは今まで余りなかったパターンですね。HFの士郎は、睡眠時間の少なさをぼやいたり、体調の悪さに寝込んだりと他のルートほどは無茶苦茶じゃない感じがします。
……中~終盤が前2ルートを超える無茶苦茶さですが。