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RN/HF11日目 幕間~夜

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リハビリのっけから狂気交じり。間桐家に入って以来の桜と慎二の関係、間桐の血統の現状に触れる慎二視点の幕間。PC版でみたときにはお前頼むからいなくなれと思ったエピソードでした。むしろ黒化のあのシーンまで耐えた桜が脅威。このシーンで出てくる桜の部屋の塗りが粗いのが微妙に気になっていたりもしました。殺風景ぶりは士郎といい勝負。で、部屋の中央に置かれてるのは座卓なのなんなの?微妙に形が把握できません。
トイレと慎二の部屋以外出入り禁止にしちゃえばいいんだよ

幕間。ノックなしで主のいない桜の部屋に入り込む慎二。三年前に間桐の跡取りは自分じゃないと知って以来ずっと、ノックなしに入り込んでは荒らしていたっぽい。時計とか壊されます。
とはいえ、その前から慎二以降の代は普通の人間として生きていくのだと伝えられていたんですけどね。11年前、桜は「身寄りのない少女」と称されて間桐家入りします。間桐に入って我を失ったかのように活気のない桜の姿は慎二には愚鈍に見えた様子。自分だけが書庫で魔術書を読み漁り、自分と桜が別々に過ごすことに疑問を持たなかったわけですが、偶然に地下修練場とそこにいる桜・臓硯・鶴夜を発見。その隔離の意味は逆だった、ということで聖杯戦争3年前に慎二崩壊です。
その少し前までは自分の優位性から桜を可愛がってみた時期もあったようなんですけどあっさりと関係が壊れてしまいました。臓硯の描写が、桜の「周りには黒く蠢く何かと恐ろしい祖父」となっているあたり、完全に人外です。

表面だけでも取り繕われていた慎二の地位は転落、鶴夜も桜だけにかまうようになり、桜に謝罪を向けられたことで慎二の憎悪が桜に向かうことに。この後、聖杯戦争が始まるまでの間に鶴夜が亡くなって間桐家は3人だけの暮らしになります。桜もさすが凛の姉妹というか「魔術師の後継」がどういうものかよくわかって務めているので、慎二への態度が微妙になるのですがこれは慎二を逆上させるものでしかなく。

慎二の罵倒は全体に抑え目です。
「グズだな」が「困ったもんだな」になり、「欠陥品として扱う」が「可愛がる」に変わるほど抑え目。桜がはけぐちとして虐待の対象になったというより、やり場のない怒りの行き場としてつらくあたられたという感じにシフトしています。
士郎が桜の視線の先にあるようになってから慎二は桜を衛宮邸に近づけることを警戒し、臓硯に進言していますが、臓硯は衛宮は監視対象として慎二の言葉を一蹴。
幕間終わりあたりのの慎二の台詞は「必ず償わせてやるぞ桜」から「必ず償わせてやるぞ衛宮」にシフト。ひたすらに桜だけを嬲り、人間として扱わない外道っぷりは、桜に執着するあまりに士郎に攻撃性を示すという形で緩和されています。

視点戻って夕方の衛宮邸。
桜が寝てて凛も忙しげなので、夕食担当は左手が動くようになってきた士郎。メニューはカジキのから揚げと肉じゃがですが…片手が不自由な状態で揚げ物だとぅ…!?いや利き手じゃないから何とかなるかもですが。危ないよ士郎。
女の子3人は居間に来たら出来上がっていたご飯にご機嫌でみんな笑顔。ライダーだけ来ないけど、士郎は後でお弁当届ける気満々。どこまでおかんなんだ。
桜は洋食派で士郎が和食派、なんて会話になったりしますがイリヤは士郎のメニューがお気に入りな様子。作りなれたメニューらしいよ肉じゃが。絵に描いたような嫁キャラ…
と、ここで桜に異変。
味付けがおかしくないかと言い出します。甘みが感じられない様子。食卓の誰もが不思議そうに見守る中でもう一度味を確かめ、自分だけが味を感じられないことに思い当たったらしい桜は笑顔で場をごまかしてしまいます。例によって却って元気に振舞い始め、おかわり三杯。微妙な不安感を残します。

夜10時過ぎ。
凛と士郎は夜の巡回。もの言いたげに髪で顔を隠しながらふたりを見やる桜。玄関へ向かう士郎と凛の後についてきてしまいます。二人だけでは危険だから、唯一サーヴァントを持つ自分が同行すると申し出るのですが、凛は相変わらずつっけんどん。いつ敵に回るかわからないのに連れ歩けない、おとなしくライダーにイリヤと自分を守らせていろと士郎を引っ張って衛宮邸を出て行ってしまいます。
桜に対しては事務的に、魔術師として、管理者として冷たく扱おうと務めているふうなのですが、第三者の士郎にはもろバレ。士郎は「桜には遠坂の気持ちが伝わっている」とはいいますが、実際のところ桜は当事者過ぎて凛の外面ごとまともに受け取ってしまっているのでこれは士郎の希望的観測です。
とりあえず、衛宮邸前の道で凛と桜の姉妹仲について、士郎が凛にとりなす形になります。凛の屈折したお姉さんぶりが出る場面。
巡回の目的地は、朝に事件が報道された中央公園になります。

事件発覚当夜の現場なんて、警察関係者がいそうな者ですが無人です。
朝の時点で凛は「臓硯の仕業ではない」と云う見解を述べていましたが、予想していた黒い影の仕業ともどうやら違う、一帯の魔力が枯渇していないのが妙だとのこと。それ以上の情報を得ることは出来ずに新都を後にします。
橋を通りながら「魔術師としての桜」への疑問を士郎が切り出し、桜の実力と間桐の魔術の特性についての話に。
凛は御三家の協力関係から多少の情報は持ってるので、

・間桐の魔術は“戒め”“強制”の類で、令呪システムの構築も間桐の功績
・ただし“制約”は間桐の禁呪であって、得意分野ではないため桜の魔術も制約ではないと思う
・魔力回路の数自体は凛と桜は同じくらい(UBWで凛の魔術回路についてメインがどうとかサブがどうとかいってたと思いますが、回路自体は桜も同じようなものなのでしょう)
・凛は五大元素、桜が架空元素。(普通五大元素のいずれかなので、どちらも希少)ただし間桐は水属性なので、無理に変えられた結果大幅にランクダウンしてるはず、おそらく士郎並みかそれ以下

という話をしてくれます。なんにせよ、間桐に入ってからの桜は刻印虫に魔力を食い荒らされてるので魔術は組み立てられないです。士郎が桜が魔術師であることに気づけなかったのは、魔力が少なかったことと桜自身が隠していたことの相乗効果ですね。
桜を魔術師として頼りにはしないけどそれでいいな、と確認する士郎に、凛は頼りにするなんて言い出していたら桜をうちに連れ戻しているわと笑います。いい姉。
桜が笑うのは士郎の前だけだという話もここで出ます。
笑わない桜を見てきた凛は、士郎がいるときには笑うことを喜ぶふうですが、逆に桜の笑顔を多く見てきた士郎には、人前で桜が笑わないという話は危うく思えた様子。

午前一時過ぎ帰宅。
敵の計り知れなさに思い惑ううちにふと左腕の聖骸布を緩めてみますが痛いわ恐いわで朦朧としながらやっとのことで縛りなおす羽目に。
fate、UBWと自らの死を恐れる描写の少なかった士郎が、ただ恐怖に泣くという描写が印象的――ですが。
直後、この「聖骸布を緩めた」という記憶そのものが士郎からすっぽり抜けます。HF後半、頻発する記憶欠如はあまりに痛々しいので読み手側の聖骸布に対する禁忌の意識が強まりますね。
ボーっとしながら記憶のバラバラさ加減を不味そうな「傷めモノ」料理にたとえる士郎の発想がシュールすぎます。
恐怖と嫌悪に駆られていっそ腕を切り落としたいとさえ思いますが、そこを押して眠ることに。



次は差し替えシーン。タイトルは「クラック」。
時間は2時前で、眠ってから30分程度しかたってないです。桜のご来場ですね。
スカートめくってないCGがここで入ります。血を飲ませるために士郎がカッターナイフを取り出しますが、刃物を持ったことで再度腕を切り落としたいという誘惑に迷う、というレアルタオリジナルの描写が混ざります。